vol.007(2018/02/24)『サクッと起業してサクッと売却する 就職でもなく自営業でもない新しい働き方』

こんにちは、戸田です。

本日は2018年2月24日。

もう2月もおわりですね。早い!

それでは、経営読書塾メールマガジンvol.007をお届けします。

本日のコンテンツはこちら。

 

目次

1.レビューNO.7『サクッと起業してサクッと売却する 就職でもなく自営業でもない新しい働き方』

2.質問&レビュー募集

3.お知らせ

4.編集日記

5.次回予告『鬼速PDCA』

それでは、さっそくブックレビューに入りましょう。

 

1.レビューNO.7『サクッと起業してサクッと売却する 就職でもなく自営業でもない新しい働き方』

 

1-1.書誌情報

書名:サクッと起業してサクッと売却する 就職でもなく自営業でもない新しい働き方

著者:正田 圭

発行日:2018年1月31日

発行者:CCCメディアハウス

Amazonリンク: http://amzn.asia/g22iq7a

 

1-2.目次

はじめに 会社を売るのもトマトを売るのも同じ

PART1 考え方編

第1章 連続的起業論

第2章 会社売却で人生の選択肢は無限に増える

第3章 起業のFAQ

PART2 実践編

第4章 起業の本質はコミュニケーション戦略

第5章 会社を高値で売却する方法論

終わりに 人生の一番大きな問題を解決するのはお金

 

1-3.内容紹介

15歳で起業し、現在に至るまでシリアルアントレプレナー(連続起業家)として生きる正田圭氏の4作目の著書。

本書は「起業して会社を売却する」という文化を日本でもっと普及させていきたい、という著者の思いが詰まった啓蒙書です。

 

会社を売って自由に生きよう

サラリーマンをはじめとした多くの働く人々にとって「人生で最も自由な時間とお金を手に入れるのは退職したとき」ではないでしょうか

しかし、退職した時はすでに60〜70歳。

もしこのタイミングが、もっと早く、若いうち、20〜40歳代に訪れれば、その後の人生をより自由に、豊かにたくさんの選択肢をもって歩んでいくことができます。

そのための方法として筆者が推奨するのが会社の売却です。

筆者は「トマトを作って売るような感じで会社を作って売ればよいのに」と述べています。

「会社をつくってさらに売却する?そんな突拍子もないことを……」と思われるかもしれませんが、資産を持たない人間にとって、起業してその会社を売ることが、実は最も堅実な方法なのです。

本書のPART1では、こうした起業と会社売却の考え方について詳しく述べられています。

この考え方編が本書の中心であり、凝り固まった思い込みをシフトしていくことに大きな意義があるものです。

会社を売却するというのは、ファイナンス的に言えば、「将来その会社が生み出す利益を先取りして現金化する」ということになります。

もしあなたが、若くして時間もお金も手に入れようと思うのであれば、起業し、さらに売却する、ということを視野に入れることを考えてみましょう。

 

どのように会社をつくって売るか

著者は「起業に崇高な理念などはじめはいらない」と言い切っています。

本書のPART1 考え方編では、「なぜ会社売却をめざすのか?なぜ会社売却なのか?」というWHYを中心に語られます。

一方のPART2 実践編では、その上で実際に会社をつくって売る方法、HOWに焦点が当てられます。

と言っても、HOWはそれほど体系的にまとめられたものではなく、著者の体験談が綴られたものです。

売却するためには、当然まずは現在も将来も利益を生み続けるであろう会社をつくる必要があります。

こうした会社のつくり方についても「起業のアイデアはコピペでよい」「代表取締役としての目線ではなく、株主としての目線を持て」などユニークな視点が紹介されています。

ただ、「実際にビジネスとしてどう稼いでいくか」という話はやや薄いため、他書から学んでいく必要がありそうです。

 

1-4.こんなときに!経営への活かし方

私もそうでしたが、会社をつくるとき(承継するときなども含め)に、その会社を売ることなんてことを考えている経営者はほとんどいないのではないかと思います。

しかし、会社そのものを商品として考えれば、「おいしい会社(儲かる会社)をつくっていい値段で買い取ってもらう」というのは至ってふつうの話です。

すでに会社を経営しているあなたも、これから起業するあなたも、「なぜ会社を経営しているのか?」「なぜ起業するのか?」ということと向き合い、本書を読んでその出口戦略を考えてみるのもいいかもしれません。

 

2.質問&レビュー募集

「経営読書塾」では、塾生(読者)のみなさまからの質問や感想、コメントなどなど、いつでもお待ちしております。

このメールにそのまま返信できますので、お気軽にお寄せください。

いただいた質問については、その次の配信でご回答させていただく予定です(内容によっては個別にご回答いたします)。

「こんな本をレビューしてほしい」といったご要望もお待ちしております。

また、「自分もレビューを書いてみたので紹介してほしい!」といった持込も大歓迎です。

レビューを書くと、自分の頭の中が整理され、また読んでみるだけでは気付かなかった発見があるかもしれません。ぜひチャレンジしてみてください。

 

3.お知らせ

LINE BOT勉強会 IN 掛川を開催しました

2月21日(水)静岡県掛川市にて「LINE Bot勉強会 in 掛川」を開催しました。

おかげさまで16名の方にご参加いただき、参加者からも積極的な発表、質問がありました。

また開催報告レポートは後日upし、次号のメールマガジンにてご紹介させていただきます。

 

4.編集日記

今回は「会社を売ってみよう」というお話でした。

とは言いつつ、実際に自分の会社を売るところを想像するとちょっと胸が痛みますよね。愛着があって。

しかし、方法の一つとしては全然アリだと思いましたし、むしろ事業を買う側になって、一気に自社を発展させるとか、今は価値が高くない会社を買い取って2,3年でいい会社にして高値で売る、とかいう仕事はまさに「経営」というスキルの高いプレイヤーの仕事かもしれません。

もちろん僕の場合はまだまだそのステージに到達していないのですが、将来ビジョンとしてこうした道があることを知っておくのは役に立ちそうです。

 

5.次回予告『鬼速PDCA』

次号で取り上げる本はこちら。

冨田 和成『鬼速PDCA』(クロスメディア・パブリッシング,2016)

Amazonリンク: http://amzn.asia/eHNLdES

PDCAという言葉を聞いたことのない経営者はいないと思います。

が、その実践、取り入れ方、上手く運用するコツなどは手探り状態の方も多いのではないでしょうか。

本書はそのPDCAを超ハイスピード=鬼速でまわして成功させる方法論を紹介するものです。

お楽しみに。

vol.006(2018/02/17)『日本再興戦略』

こんにちは、戸田です。

2018年2月17日です。

先週はお休みをいただいておりまして2週間ぶりの配信となります。

少しずつ陽射しが暖かくなってまいりましたが、みなさまもお身体ご自愛くださいませ。

それでは、経営読書塾メールマガジンvol.006をお届けします。

本日のコンテンツはこちら。

 

目次

1.レビューNO.6『日本再興戦略』

2.質問&レビュー募集

3.お知らせ

4.編集日記

5.次回予告『サクッと起業してサクッと売却する 就職でもなく自営業でもない新しい働き方』

それでは、さっそくブックレビューに入りましょう。

 

1.レビューNO.6『日本再興戦略』

1-1.書誌情報

書名:日本再興戦略

著者:落合陽一

発行日:2018年1月30日

発行者:幻冬舎

Amazonリンク: http://amzn.asia/eDXUxGz

 

1-2.目次

はじめに:なぜ今、僕は日本再興戦略を語るのか?

第1章 欧米とは何か

第2章 日本とは何か

第3章 テクノロジーは世界をどう変えるか

第4章 日本再興のグランドデザイン

第5章 政治

第6章 教育

第7章 会社・仕事・コミュニティ

 

1-3.内容紹介

ピクシーダストテクノロジーズ株式会社 代表取締役社長、筑波大学 学長補佐・デジタルネイチャー推進戦略研究基盤 基盤長・図書館情報メディア系 准教授 デジタルネイチャー研究室主宰……といった肩書を持ち、「現代の魔法使い」として昨今メディアにも取り上げられている落合陽一氏の最新作。

今の時代にそぐわなくなっている日本の社会、制度、意識、産業、政治、教育、仕事、コミュニティ……。こうしたさまざまな分野において、個別ではなく全体のパッケージとして、テクノロジーの力を用いたアップデートが必要だ、と彼は述べます。

それを端的に表しているのが、本を開いて最初に目に飛び込んでくる序文。

これが本書の最も言いたかったことであると思われるのでそのまま引用します。

人間存在や国家ビジョンなどの我々のアイデンティティに関わる分野を聖域的にとらえ、それらからすればテクノロジーを些細な一分野であるような見方をする人々もいます。

しかしながら我々はテクノロジーによって知を外在化し、生活を拡張し、人間存在それ自体の自己認識を更新し続けてきたのです。

テクノロジーという人の営みが生んだ文化を見直し、テクノロジーが刷新する人間性や文化的価値観を考慮することは、これからの人の営みにおいて不可欠であり、自然の中から生まれた人間存在は、人間が生み出したテクノロジーによる新たな自然を構成することで自らの存在や定義という殻を破り、更新されうると僕は考えています。

 

テクノロジーは世界をどう変えるか

目次の通り、第1〜2章で日本の近代史を振り返りながら、第3〜4章でテクノロジー、日本再興戦略といった全体論、第5〜6章で各論として政治、教育、仕事・コミュニティについて語られます。

これらのすべてに通貫するのが、歴史の流れの中で、テクノロジーがどのようにこの国の形を変えてきて、またこれからどのように変えていくのか、ということです。

本書では、「『欧米』という概念を見直す」「士農工商という考え方をアップデートする」「ワークライフバランスからワークアズライフへ」などなど、さまざまな興味深いトピックが盛り込まれています。

が、ここではテクノロジーがもたらす産業の変化、そして新たなテクノロジーの導入に日本が有利である、という2つの点についてご紹介します。

 

テクノロジーは産業に何をもたらすか

AI、ビッグデータ、自動運転、ロボット、AR・VR、ブロックチェーンなどのテクノロジーがメディアを賑わせています。

しかし、これらのテクノロジーについて、別個のものとして着目していてもおそらくその本質はつかめないでしょう。

これは、戸田の個人的意見も入りますが、こうしたテクノロジーの発展の本質は「個別最適化のコストが極小化された」ことにあるかと思います。

例えば、顧客管理。

かつては高額な専用のシステムが必要でした。

しかし、コンピュータの計算処理性能が向上することによって、データ処理のコストはどんどん小さくなっています。

そのため、顧客一人ひとりの嗜好を購入歴などから簡単に分析することができ、その嗜好にあわせた個別の提案をすることも容易になっています。

例えば、コミュニケーション。

書類でのやり取りが中心であれば、報連相には数日〜数週間を要します。

それがメールやチャットなどのネットワークを利用したツールが登場することにより、遠く離れていてもリアルタイムに通信することが可能になりました。

また、本書で紹介されていますが、5G(第5世代移動通信システム)が普及すれば、TV会議などのタイムラグはほとんど体感できないレベルになり、遠隔でのコワーキングも一層推進されていくでしょう。

「大量生産大量消費から少量多品種の時代に移った」というのは随分前から言われていますが、テクノロジーがさらに発展することによって、こうした傾向がより劇的に進みます。

こうした中、これから求められるのは、誰にでも合う標準化された製品や人材ではなく、個別のニーズに対応した多様な製品、多様な人材になるでしょう。

 

人口減少はテクノロジー導入のチャンス

さて、こうしたテクノロジーの発展していくと、いつの時代にも「仕事が奪われる!」という話になります。ラッダイト運動とか学校で習いましたよね。

現代日本においても「AI・ロボットによってこれだけの仕事がなくなる!」といった報道が扇情的になされているのを見ることができます。

しかし、です。

前回の経営読書塾では「ダイレクト・リクルーティング」という採用手法を紹介しましたが、そう、今の日本は絶対的に人手不足なのです。

こうした現状において、機械による省力化は社会正義と言えます。

ちょっと余談ですが、さらに日本で生まれ育った人々は、外国諸国で育った人々と比べ、ロボットとの親和性が比較的高いと思われます(残念ながらデータは見つからなかったのですが)。

それは、古くアトム、ドラえもん、最近では初音ミクなどなど、ロボットやAIをよきパートナーとした物語に多くの国民が触れてきている、というのがあります。

現在、人口減少・少子高齢化において日本はトップランナーであり、課題先進国です。

一方、日本ではこうした課題をテクノロジーの力で乗り越えやすい土壌があります。

テクノロジーの導入によって、こうした課題を上手く解決することができれば、その技術・仕組みを海外に輸出していくことも可能でしょう。

それが日本の再興につながっていく一助になるのではないかと思います。

 

1-4.こんなときに!経営への活かし方

経営者たるもの、過去の歴史と未来の予想をふまえて、将来ビジョンを描いていかなければなりません(や、僕はできてませんけど)。

「日本のビジョンを考え、日本を変えていく」というのはかつては政治の仕事だったかもしれません。

しかし、テクノロジーの進展によって、これまで以上に民間がその役割を持つことの可能性・重要性が高まっています。

こうした現代の変化をキャッチし、刺激を受けるのには最適な一冊でしょう。

 

2.質問&レビュー募集

「経営読書塾」では、塾生(読者)のみなさまからの質問や感想、コメントなどなど、いつでもお待ちしております。

このメールにそのまま返信できますので、お気軽にお寄せください。

いただいた質問については、その次の配信でご回答させていただく予定です(内容によっては個別にご回答いたします)。

「こんな本をレビューしてほしい」といったご要望もお待ちしております。

また、「自分もレビューを書いてみたので紹介してほしい!」といった持込も大歓迎です。

レビューを書くと、自分の頭の中が整理され、また読んでみるだけでは気付かなかった発見があるかもしれません。ぜひチャレンジしてみてください。

 

3.お知らせ

LINE BOT勉強会 IN 掛川を開催します

いよいよ来週!

2月21日(水)静岡県掛川市にて「LINE Bot勉強会 in 掛川~LINE Botを活用してもっとコミュニケーションを~」を開催します。

講師はLINE株式会社 Developer Relationsチーム所属の立花翔さんです。

お近くにお住まいの方で、チャットBOTに興味のある方はぜひご参加ください。

詳細・お申込みはこちら↓

https://aramahoshi.jp/2018/01/25/linebot

 

4.編集日記

落合陽一氏には数年前から注目していて、彼の著作はすべて目を通しています。

今回は最新作ということもあり、『日本再興戦略』を紹介しましたが、テクノロジーがもたらす変化についてより深く学びたいということであれば『魔法の世紀』(PLANETS)を、もしあなたがまだ何者でもなく、けれど主体的に生きて主体的に社会を動かしていきたいのであれば『これからの世界をつくる仲間たちへ』をおすすめします。

本書もどの本もそうですが、読んだだけで自身の行動が何も変わらないのであれば、そこに大きな意味はありません。

落合氏は本書でも講演でもTwitterでも「ポジションを取れ」と言っています。

「批評家になるな。手を動かせ」とも。

とにかくやってみましょう。やってみなければ何事もわからないし、変わらないのです。

 

5.次回予告『サクッと起業してサクッと売却する 就職でもなく自営業でもない新しい働き方』

次号で取り上げる本はこちら。

正田圭『サクッと起業してサクッと売却する 就職でもなく自営業でもない新しい働き方』(CCCメディアハウス,2018)

Amazonリンク: http://amzn.asia/8JN3JYo

15歳で起業し、そして会社売却までを経験した若手経営者、正田圭さんによる起業&売却のススメです。

なかなか日本では少ない売却までを見据えた考え方をご紹介します。

お楽しみに。

vol.005(2018/02/03)『ダイレクトリクルーティング 新しい採用の常識』

こんにちは、戸田です。

2018年2月3日です。

2月になりました。

年度末も近づき、忙しくなってきた、という方も多いのではないでしょうか。

寒い日が続きますが、体調に気を付けて過ごしていきましょう。

それでは、経営読書塾メールマガジンvol.005をお届けします。

本日のコンテンツはこちら。

 

目次

1.第5回ブックレビュー『ダイレクト・リクルーティング 新しい採用の常識』

2.質問&レビュー募集

3.お知らせ

4.編集日記

5.次回予告『日本再興戦略』

それでは、さっそくブックレビューに入りましょう。

 

1.第5回ブックレビュー『ダイレクト・リクルーティング 新しい採用の常識』

1-1.書誌情報

書名:ダイレクト・リクルーティング 新しい採用の常識

著者:高山 奨史、新倉 竜也

発行日:2018年1月11日

発行者:同文館出版

Amazonリンク: http://amzn.asia/0YfocXI

 

1-2.目次

はじめに

1章 だからうちに人が来ないのか!あなたの会社に人が集まらない本当の理由

2章 ダイレクト・リクルーティングで劇的に採用力を改善する!

3章 実践!ダイレクト・リクルーティング①Webフェーズ デジタル時代の採用戦略

4章 実践!ダイレクト・リクルーティング②リアルフェーズ 面接誘導編

5章 実践!ダイレクト・リクルーティング③リアルフェーズ 面接当日〜内定連絡編

6章 驚愕!業種別ダイレクト・リクルーティング成功事例

 

1-3.内容紹介

私は静岡県掛川市という人口10万人ちょっとくらいの地方都市で会社を経営をしています。

その地元の経営者仲間と飲んでいると最近よく話題になるのは、人手が足らない、という話です。

建設業、製造業などは特にその傾向が顕著ですが、地方では本当に人材が不足している状況です。

統計資料を見ても、厚生労働省によれば、2017年平均の有効求人倍率は1.50倍、前年の1.36倍を0.14ポイント上回り、非常に高い水準で移行しています。

これはざっくり言えば、1.5人分の仕事に対し、人が1人しかない、ということです。

こうした中でとても重要になってくるのが、人材採用、リクルーティングです。

今回の経営読書塾で取り上げる『ダイレクトリクルーティング 新しい採用の常識』は、人材募集に関する時代の移り変わりに対応した、新しい採用手法を提案するという内容です。

※なお、今回の著者はダイレクト・リクルーティングを実践するコンサルティング会社の方であり、本書にはこの採用手法の普及啓発という向きがあります。そのため、少し差し引いて読む必要があるかもしれません。が、時代の流れと考え方は今の採用の現状に即したものかな、と思います。

 

ダイレクト・リクルーティングとは?

さて、そもそも「ダイレクト・リクルーティング」という言葉自体、耳慣れないものかと思います。

直訳すると「直接採用活動」となりますが、具体的にはどのような内容を指すのでしょう。

端的に言えば、これまで求人媒体に頼ってきた採用だけでなく、自社媒体・自社での直接採用活動を増やしていこう、という内容です。

これまで正社員やアルバイトを募集するとなれば、ハローワークに求人を出すほか、求人情報誌、求人ポータルサイトに掲載するというのが一般的でした。

現在、こうした紙媒体の求人情報誌、求人ポータルサイトの効果が薄れつつあります。

なぜか。

これは、求職者が求人情報を探す際、まずはGoogle、Yahoo!などの検索エンジンを利用していることによるものです。

昔ながらの紙媒体による求人情報は、情報の閲覧性、検索性に乏しく、比較検討がしにくい仕組みになっています。

そして、求人ポータルサイトは、実は検索しても上位に表示されなくなりつつあります。

その中で、どのようなものが台頭しているかと言えば、「indeed(インディード)」というサービスです。

最近では、TV CMも積極的に打たれているので、ご存知の方も多いかもしれません。

これは、簡単に言えば「求人情報だけのGoogle」だと思っていただけばわかりやすいかもしれません。

ぜひ一度ご覧いただければと思いますが、その画面構成、機能は至ってシンプルなものです。

しかし、これがなぜ強いかと言えば、今Googleで「地域名+職種」などで検索すると上位にはこのindeedが表示されるためです(よろしければ実際に試してみてください)。

検索求人の入り口は求人ポータルサイトではなく、indeedへと移行しつつある、という状況なのです(大企業の新卒採用などは一部事情が異なりますが)。

こうした状況を踏まえ、indeedを活用しながら、媒体に依存せず、直接的に採用活動を進めていくこと=ダイレクト・リクルーティングが企業において重要になりつつあるのです。

 

プラットフォームに過度に依存しない経営

……と、いうのが本書の1〜2章の内容をかいつまんでお話したものです。

その先の3〜5章では、ダイレクト・リクルーティングに向けた具体的な手法が、6章では実践例が紹介されます。

が、これらの内容は実際にお読みいただくとして。

ここでは、こうした「メディア・媒体」などのプラットフォームに頼らず、自社でダイレクトに活動するということに注目してみましょう。

現在、例えば採用ならリクナビ、タウンワーク、ECなら楽天、Amazon、旅行ならじゃらん、Booking.com……など、あらゆる分野において、大企業によるサービスがプラットフォームとして機能しています。

こうしたプラットフォームを活用することはとても大切なのですが、これらに過度に依存することは、プラットフォームを運営する企業に経営を依存するのと同じことになってしまいます。

例えば、Amazonで通販の売上の9割をつくっている中山間地域の某村の事業者がいたとして、Amazonが「効率化のため、人口1万人以下の市町からの発送時送料は30%値上げします」といった方針を打ち出したら、途端にその事業者は苦しくなるでしょう。

プラットフォームに依存するというのは、その運営企業の方針に従わざるを得ない、というリスクが生じます。

そのため、近年では、EC業界でもなるべく自社サイトをつくり、ショッピングモールに依存せずお客様を獲得していこう、旅館業でも自社サイトから直接ご予約をいただこう、といった取り組みが始まりつつあります。

このダイレクト・リクルーティングという考え方も、自社に必要な人材を、自ら発見し、自ら獲得していく、という考え方であり、現代の経営者が視野に入れるべき事柄の一つではないかと感じています。

人材採用についても、こうした「自社が自ら動く」というスタイルを取り入れていく必要があるかもしれません。

 

1-4.こんなときに!経営への活かし方

今回のブックレビューでは割愛してしまいましたが、「よし!ダイレクト・リクルーティングに取り組んでいこう!」という経営者の方は、ぜひ3〜5章に目を通してください。

実際の採用手法がかなり具体的に書かれていますので、ダイレクト・リクルーティングを進める上で大変参考になるでしょう。

 

2.質問&レビュー募集

「経営読書塾」では、塾生(読者)のみなさまからの質問や感想、コメントなどなど、いつでもお待ちしております。

このメールにそのまま返信できますので、お気軽にお寄せください。

いただいた質問については、その次の配信でご回答させていただく予定です(内容によっては個別にご回答いたします)。

「こんな本をレビューしてほしい」といったご要望もお待ちしております。

また、「自分もレビューを書いてみたので紹介してほしい!」といった持込も大歓迎です。

レビューを書くと、自分の頭の中が整理され、また読んでみるだけでは気付かなかった発見があるかもしれません。ぜひチャレンジしてみてください。

 

3.お知らせ

LINE BOT勉強会 IN 掛川を開催します

2018年2月21日(水)静岡県掛川市にて「LINE Bot勉強会 in 掛川~LINE Botを活用してもっとコミュニケーションを~」を開催します。

講師はLINE株式会社 Developer Relationsチーム所属の立花翔さんです。

お近くにお住まいの方で、チャットBOTに興味のある方はぜひご参加ください。

詳細はこちら

https://aramahoshi.jp/2018/01/25/linebot

 

4.編集日記

第005号のブックレビューはいかがでしたでしょうか。

……なんというか、本の紹介の割合が4割くらいになってしまって、「これを読んで戸田はこう考えた」みたいな感想文になってしまったような気が……。

いや、これまでもわりとそんな感じでしたけど。

本の紹介に徹するのと、戸田のコメント、どっちに重きを置くのがいいですかね?

 

5.次回予告『日本再興戦略』

さて、次号で取り上げる本はこちらになります。

落合陽一 『日本再興戦略』(幻冬舎,2018)

Amazonリンク: http://amzn.asia/4uNBw9u

「現代の魔法使い」落合陽一さんが日本のこれからを語ります。

めちゃくちゃ刺激的な一冊です。

お楽しみに。

vol.004(2018/01/27)『成功者の告白』

こんにちは、戸田です。

2018年1月27日です。

早くも1月のおわりが近付いてきました。

2018年の最初の1カ月、どのように過ごされたでしょうか。

それでは、経営読書塾メールマガジン第004号をお届けします。

本日のコンテンツはこちら。

 

目次

1.第4回ブックレビュー『成功者の告白』

2.質問&レビュー募集

3.お知らせ

4.編集日記

5.次回予告『ダイレクトリクルーティング 新しい採用の常識』

となっております。

それでは、さっそく行きましょう。

 

1.第4回ブックレビュー『成功者の告白』

1-1.書誌情報

書名:成功者の告白

著者:神田昌典

発行日:2006年9月20日(講談社+α文庫版)

発行者:講談社

Amazonリンク:

http://amzn.asia/0KOoVs0

 

1-2.目次

プロローグ

第1章 見せかけの成功物語

第2章 幸福と不幸の狭間で

第3章 優しさの罠

第4章 成功の果てに……

エピローグ

 

1-3.内容紹介

本書は、多くのビジネス書の著作を持つ神田昌典氏の書く起業家小説です。

副題には「5年間の起業ノウハウを3時間で学べる物語」とあります。

その題の通り、主人公・タクが起業し、会社を発展させながら、家庭との両立や人生の幸福を追い求めていくストーリーとなっていますが、戦略構築、マーケティング、セールス、マネジメントなどのノウハウが随所に盛り込まれています。

筆者は「企業の成長シナリオの展開にはパターンがある」と述べています。

起業家・経営者の多くは「自分の会社に起きる出来事は自社だけの特別なもの」と思いがちですが、そうではなく、ある程度パターン化されているというのです。

この本は小説という形式を取っていますが、作り話ではなく、筆者がコンサルタントとして見てきた会社、筆者自身に起こった出来事など、経験と実話に基づいたものとされています。

もちろんここで描かれる企業の成長パターンは、筆者の観測範囲の話である、という注意書き付きですが、企業の成長シナリオの標準的なパターン、このタイミングではこうした問題が生じやすい、といった話を頭の片隅に置いておくことはきっと意味があることでしょう。

ぜひ主人公・タクに起こる出来事を「予習」して、自社の経営に活かしていただければと思います。

さて、この本はビジネス書ではありますが、物語の形式を取っています。

その中で、物語のあらすじを最初から最期まで紹介するのも無粋な話です。

ですので、本メルマガでは、戸田が印象深く感じたワンシーンを例に絞って紹介します。

 

事業で成功する鍵とは?

物語は、主人公・タクが大手メーカーからベンチャー企業に転職したばかりにもかかわらず、片道切符の子会社への転籍を命じられた……というところから始まります。

そしてタクは思い切って独立することにし、ビジネスアイデアを考えている最中、会計事務所を経営する「神崎さん」という方と偶然再会します。

この神崎さんがタクのメンターになってくれることとなり、タクが事業あるいは家庭で行き詰まったときにさまざな助言を受けながら進んでいきます。

さて、物語の序盤、タクが独立することは決めたものの、どんな事業を始めようか、と頭を悩ませていて、神崎さんに教えを乞うシーンです。

その場面で神崎さんは「ビジネスで成功する鍵は、第一にタイミング、第二にタイミング、第三にタイミングだ」と教えます。新規事業を成功させる鍵は市場に参入するタイミングであると。

今(単行本刊行時は2004年でした)のタイミングで、エアコンメーカーを始めても大成功はできない。携帯電話の販売会社を立ち上げても、インターネットのショッピングモールをつくっても難しい。

大きく成長させる会社のどこが違うかと言えば、参入したタイミングが違ったのだ、と神崎さんは話します。

とは言え、「ブームの商品を手掛ければいい」と言う単純な話でもありません。

神崎さんは、導入期、成長期、成熟期、衰退期からなる事業の成長カーブをペーパーナプキンにボールペンで描きながら、「どのタイミングで市場に参入すべきだろうか?」とタクに訪ねます。

タクは「ふつうは成長期だが、成長期は競争が激しいので、衰退期を狙ったほうがいいと聞いたことがある」と答えます。

神崎さんは、そういう考え方もあるとしつつ、「それでも成長期に参入すべきだ、それも成長期の前半に」と語ります。

なぜなら成長期にはその事業で得られる収益の80〜85%が得られるからだ、とのこと。

成長期のカーブに上手く乗らないと、事業はスムーズに立ち上がっていかない。

でも、そんな成長期の前半にあたるビジネスってどうやって見つければよいのか?

というタクのさらなる疑問に神崎さんは答えていくのですが、本メルマガではここまでにしましょう。

 

このビジネスのタイミングは「今」か?

ビジネスで成功する鍵は?と神崎さんに尋ねられて、タクは初めに「顧客ニーズだ」と答えます。

実は僕も初めて読んだ時はタクとまったく同じ回答でした。

また、多くのスタートアップ向けの本にも、まず「そのプロダクトに顧客ニーズがあるか」を重視すべき、と書かれています。

なので、この「タイミングがすべて」というのは当時の自分にとってわりと目からウロコな考え方でした(ちなみに、僕がこの本を読んだのは起業してから大体2、3カ月経った頃、先輩経営者に勧められて、でした。正直あと半年くらい早く読んでおきたかった……)。

確かに、投資家が事業を見る時には、顧客ニーズがあるのか、アイデア、プロダクトタイプの出来はどうなのか、ということもさることながら、「その事業はスケールできるのか?」を見ると言います。

個人事業主に近い形でスモールビジネスとして経営していくならともかくとして、スケールするビジネスをめざすのであれば、参入タイミングというのは最重要なのかもしれません。

そもそも伸びる市場でなければビジネスが大きくなることはなく、乗り遅れて後発になっては小さいベンチャーがシェアを取れることはなく、時代より早すぎると顧客がついてこない……といった中で、タイミングをはかるのは至難の業ですが、だからこそ、タイミングの見極めこそ経営者・起業家の重要な仕事の一つなのかもしれません。

 

1-4.こんなときに!経営への活かし方

これから起業しようという方、あるいはこれから会社を継ぐことになる二代目社長の方などには特におすすめします。

また、本書では、「企業の成長に伴って、プライベートや家庭でどのような問題が生じるか?」もパターン化されるものとして、紹介されています。

これは正直なところ「ほんまかいな?」と思っているのですが、あいにく戸田は独身のためイマイチ実感を伴いません。

既婚の経営者の方はぜひ実際のところを教えてください(笑)

ぜひ、本書で述べられている企業の成長パターンを学んで、そのパターンに沿って生じる問題を上手く乗り越えられるようにしましょう。

それでは、第4回ブックレビュー『成功者の告白』でした。

 

2.質問&レビュー募集

「経営読書塾」では、塾生(読者)のみなさまからの質問や感想、コメントなどなど、いつでもお待ちしております。

このメールにそのまま返信できますので、お気軽にお寄せください。

いただいた質問については、その次の配信でご回答させていただく予定です(内容によっては個別にご回答いたします)。

「こんな本をレビューしてほしい」といったご要望もお待ちしております。

また、「自分もレビューを書いてみたので紹介してほしい!」といった持込も大歓迎です。

レビューを書くと、自分の頭の中が整理され、また読んでみるだけでは気付かなかった発見があるかもしれません。ぜひチャレンジしてみてください。

 

3.お知らせ

自社サイトをリニューアルしました

株式会社あらまほしのWebサイトをリニューアルしました。

https://aramahoshi.jp

「戸田って何してんの??」とよく(経営者仲間にも)聞かれるので、少しわかりやすく整理……したつもりだったのですが、整理したところで事業分野がバラバラすぎて「結局何の会社なんだ……」という疑惑に答えられるものにならず……。

ぜひご笑覧ください。

 

LINE BOT勉強会 IN 掛川を開催します

2018年2月21日(水)静岡県掛川市にて「LINE Bot勉強会 in 掛川~LINE Botを活用してもっとコミュニケーションを~」を開催します。

講師はLINE株式会社 Developer Relationsチーム所属の立花翔さんです。

お近くにお住まいの方で、チャットBOTに興味のある方はぜひご参加ください。

詳細はこちら

https://aramahoshi.jp/2018/01/25/linebot

 

4.編集日記

第004号のブックレビューはいかがでしたでしょうか。

副題に違わず3時間とかからず読めますが、学びのある濃密な物語ではないかと思います。

ぜひぜひ手に取って読んでいただけましたら。

個人的には、本書で描けれている企業の成長パターンは、あくまで神田昌典氏の経験則と観測範囲によるものなので、こうした起業家の成長あるいは衰退パターンが調査・研究によって明らかにされたらおもしろいな、と感じています。

「多くの起業家がこの時期に、こんな間違いをして死にます」みたいなデータがあると、未然に防ぐ手立てを打ったり、応急処置が早くなったりするんじゃないかなあ、と。

もっと新規事業開発やスタートアップに関する研究が進むとよいですね。

 

5.次回予告『ダイレクトリクルーティング』

さて、次号で取り上げる本はこちらになります。

高山奨史,新倉竜也 『ダイレクトリクルーティング 新しい採用の常識』(同文館出版,2018)

Amazonリンク:

http://amzn.asia/iqT2dk7

第1回から今回まで、起業の科学、イシューの見極め方、交渉思考、事業の成長パターンなど、どちらかと言えば大きな視点でのモノの見方、経営の考え方などに関する本を読んできました。

次回はもう少し具体的な内容、特に人材採用についての新潮流やその取り組み方法をまとめた本を紹介します。18年1月に発売されたばかりの新刊です。

人材不足やスタッフ採用に悩んでいらっしゃる方のお役に立てれば幸いです。

お楽しみに。

 

 

vol.003(2018/01/20)『武器としての交渉思考』

こんにちは、戸田です。

2018年1月20日です。

もう今年も20日が経ちました。

2018年もすでに5%が経過したということですね……。

今年の目標・イシューの進捗はいかがでしょうか?

着実に進めていきましょう。

それでは、経営読書塾メールマガジン第003号をお届けします。

本日のコンテンツはこちら。

 

目次

1.第3回ブックレビュー『武器としての交渉思考』

2.質問&レビュー募集

3.お知らせ(宣伝)

4.編集日記

5.次回予告『成功者の告白』

となっております。

それでは、さっそくはじめてまいりましょう。

 

1.第3回ブックレビュー『武器としての交渉思考』

1-1.書誌情報

書名:武器としての交渉思考

著者:瀧本哲史

発行日:2012年6月26日

発行者:星海社

 

1-2.目次

ガイダンス なぜ、いま「交渉」について学ぶ必要があるのか?

1時間目 大切なのは「ロマン」と「ソロバン」

2時間目 自分の立場ではなく、相手の「利害」に焦点を当てる

3時間目 「バトナ」は最強の武器

4時間目 「アンカリング」と「譲歩」を使いこなせ

5時間目 「非合理的な人間」とどう向き合うか?

6時間目 自分自身の宿題をやろう

 

1-3.内容紹介

本書は、著者が京都大学で教えている「交渉の授業」を一冊の本に凝縮したものです。

そのため、次代を担う若者に対する熱いメッセージが込められています。

「経営読書塾」の読者のみなさんは、もう「若者」という年齢ではないかもしれません。

しかし、本書が対象とするのは、未来のために世の中を動かしていこう、という人たちです。

みなさんが事業を経営することも、会社で働いているのも、社会を動かす一つの力になっているはず。

今回紹介する『武器としての交渉思考』は、交渉によって仲間をつくり、社会を動かす力を身に付けていこう、というものです。

単なる小手先のテクニックではなく、ビジネスにも、政治にも、プライベートにも活かせる交渉思考をぜひ身に付けていきましょう。

交渉とはそもそも何なのか

現代社会において、誰とも関わらず一人きりで生きていく、というのはほとんど不可能です。

我々は誰かしら他者と関わりながら、ともに生きていかざるをえません。

本書では、交渉を「合意をつくりだす手段」としています。

交渉はビジネスの場だけではありません。生活のいたるところで行われています。

例えば、友だちとレストランに行くとします。

「僕は新宿で中華が食べたい」「私は渋谷でイタリアンが食べたい」というとき、「では、昼はイタリアン、夜は中華にしようか」というのも交渉です。

2人以上の人間が集まれば、ありとあらゆるところで交渉が必要になるのです。

相手の利益を知るのが交渉である

交渉と言えば、あなたはどんなイメージを持つでしょうか。

持論をまくし立てて、相手を説得すること?

相手の理論のスキを突いて論破すること?

こうした一般的イメージは本来の交渉からは程遠いものです。

実は、交渉では、自分の立場よりも相手の利害を考えることが重要になってくるのです。

これはきれいごととして「相手のことを慮りましょう」という話ではありません。

「僕が困っているのでこうしてください」ではなく、「あなたにこんなおトクがあるのでこうした方がいいですよ」という提案をする、という観点を持たないと交渉は上手く成立しないのです。

そして、相手の利害を知ることが交渉を有利に進めることにもなるのです。

本書では随所に「練習問題」が盛り込まれています。

その1つを具体例として提示しましょう。

—–

2人の姉妹が1つのオレンジをめぐって喧嘩をしています。

「半分に分けたら?」と親が言いましたが2人とも「1つ分が必要なの!」と言って譲りません。

しかし、話し合いの結果、姉妹で無事に分け合うことができました。

一体なぜでしょう?

—–

こちらの答え、おわかりになりますでしょうか?

半分こずつで我慢することにした?

妹が今回もらって、姉は次回まるまるもらえるようにした?

正解は「オレンジの皮と中身を分け合った」です。

よくよく二人で話し合ったところ、姉はオレンジを普通に食べたくて、妹はオレンジの皮でマーマレードが作りたかったのです。

問題としてはちょっとずるくない?という気もしますが(僕はそう思いました)、要はお互いが「1つ分のオレンジが必要だ!」と主張していても、実は本当に欲しかったものは違っていたというお話です。

つまり、一見すると利害が対立するケースでも、相手の求める利益をきちんと知ることで、合意することができる(可能性がある)ということです。

交渉の武器、「バトナ」

有利に交渉を進めるための強力な武器として、「バトナ」という考え方があります。

バトナとは、簡単に言えば「相手の提案に合意する以外の選択肢の中で、最もよいもの」という意味です。

要は、「相手に合意する」ということ以外に複数の選択肢を持っておくとよい、ということ。

 

例として挙げられているのは家賃交渉の例です。

アパート、マンションを借りる時、入居者としてはどの時期に家主と話せば有利に交渉が進めやすいでしょうか?

これは5月または6月です。

なぜか。

進学、就職によって多くの転居が4月にあるため、5月以降賃貸アパートの人の出入りは少なくなります。

そのため、家主としては、5月に「部屋を借りたい」という入居者を逃してしまうと、そのまま次の4月まで入居者が決まらない、というリスクが高いのです。

バトナの考え方で行くと、我々入居者としては複数の選択肢が多くある一方、家主としては選択肢が少ない、という状況なのです。

こうした状況であれば、有利に交渉が進めやすい、と言えるでしょう。

交渉は準備が8割

交渉にあたって、「相手の利益が何なのかを知る」「(自分は)複数の選択肢を持つ」「相手にどのような選択肢があるかを知る」といったことが重要である、ということを述べてきました。

こうした情報収集は、交渉のテーブルについてから行うことはできません。

巷のビジネス本などで紹介される交渉手法は、当日のちょっとした心理的テクニックにすぎないものですが、本質的に交渉は事前準備でほとんど決まってしまうのです。

合理的「でない」交渉

ここまで紹介した交渉は「相手も自分も合理的に考える」ということが前提とされています。

しかし、家賃交渉の例であっても「この入居者を逃すとずっと空室になってしまうかも」というリスクを認識していない、あるいはリスクを認識していても「礼金を値切るようなやつには貸さない!」と感情的に交渉が決裂することもあります。

本書では、こうした合理的でない人間との交渉についても、どのように対応すべきかに触れています。

詳細は省きますが、基本的にはやはり相手を分析し、相手の価値観を尊重することが重要である、とされています。

 

1-4.こんなときに!経営への活かし方

企業経営者であれば、いや経営者でなくとも、毎日のように誰かしらと何かしらの交渉をしていることと思います。

本書は「交渉」の本質、基本的な考え方から、有利に交渉を進めていくためのスキルまでがギュッと凝縮されています。

また、学生向けの授業を書籍にしたものであるため、平易で読みやすく、練習問題にしっかり向きあうことで、自分で考える練習もできる、というものになっています。

経営者ご自身はもちろんのこと、営業担当の方や、社内外で何らかの折衝にあたる方が交渉思考を学べば、きっと大小の交渉がスムーズに進んでいくようになるでしょう。

以上、今回のブックレビューは『武器としての交渉思考』でした。

 

2.質問&レビュー募集

「経営読書塾」では、塾生(読者)のみなさまからの質問や感想、コメントなどなど、いつでもお待ちしております。

このメールにそのまま返信できますので、お気軽にお寄せください。

いただいた質問については、その次の配信でご回答させていただく予定です(内容によっては個別にご回答いたします)。

「こんな本をレビューしてほしい」といったご要望もお待ちしております。

また、「自分もレビューを書いてみたので紹介してほしい!」といった持込も大歓迎です。

レビューを書くと、自分の頭の中が整理され、また読んでみるだけでは気付かなかった発見があるかもしれません。ぜひチャレンジしてみてください。

 

3.お知らせ(宣伝)

講演、社員研修について引き続き募集しております。

また外部講師をお招きしての研修会・勉強会の企画・運営のご相談もお受けしております。

ご興味・ご関心ありましたら、お気軽に本メールに返信する形でご相談くださいませ。

 

4.編集日記

第003号のブックレビューはいかがでしたでしょうか。

先週は「イシューとは何か?」についてのブックレビューでした。

そして今回は、そのイシューを実現・達成するために、きっと必要になる他者との交渉について、『武器としての交渉思考』を題材に書きました。

交渉思考を磨き、交渉によって、仲間を増やし、事業を大きくし、社会を動かしていきましょう。

 

5.次回予告『成功者の告白』

さて、次号で取り上げる本はこちらになります。

神田昌典『成功者の告白』(講談社,2006)

Amazonはこちら

次回ご紹介するのは起業家の成功法則を物語形式にして著した本です。

お楽しみに。

vol.002(2018/01/13)『イシューからはじめよ』

こんにちは、戸田です。

本日は2018年1月13日。

すでにお正月気分も抜けて、通常営業モードになっている頃でしょうか?

さて、それでは経営読書塾メールマガジン第002号をお届けします。

本日のコンテンツはこちら。

 

目次

1.第2回ブックレビュー『イシューからはじめよ』

2.質問&レビュー募集

3.お知らせ(宣伝)

4.編集日記

5.次回予告

となっております。

それでは、さっそくはじめてまいりましょう。

 

1.第2回ブックレビュー『イシューからはじめよ』

1-1.書誌情報

書名:イシューからはじめよー知的生産の「シンプルな本質」

著者:安宅和人

発行日:2010年11月24日

発行者:英治出版

Amazonはこちら

1-2.目次

はじめに 優れた知的生産に共通すること
序章 この本の考え方―脱「犬の道」
第1章 イシュードリブン―「解く」前に「見極める」
第2章 仮説ドリブン(1)―イシューを分解し、ストーリーラインを組み立てる
第3章 仮説ドリブン(2)―ストーリーを絵コンテにする
第4章 アウトプットドリブン―実際の分析を進める
第5章 メッセージドリブン―「伝えるもの」をまとめる
おわりに 「毎日の小さな成功」からはじめよう

1-3.内容紹介

事業を経営していれば、さまざまなシーンで物事を判断し、意思決定をしなければならない状況に直面します。

そして、おそらく「現状にまったく問題がない」「このまま今日と同じことを続けていればこれからも安泰である」という企業はほとんどないのではないでしょうか。

多くの経営者が日々「何らかの問題を解決しなければならない」という状況にあるのではないかと思います。

今回紹介する『イシューからはじめよ』は、そうした問題(これを「イシュー」と呼びます)について、基本的な考え方、その本質を紹介していくものです。

イシューとは何か

本書のタイトルでもある「イシュー」。

あまり耳慣れた言葉ではないかもしれません。

辞書的な意味では「論点」「課題」などと訳されるものですが、本書において「イシュー」は次のように定義されています。

  • 2つ以上の集団の間で決着のついていない問題
  • 根本に関わる、もしくは白黒がはっきりしていない問題

また、本書では、よいイシューの条件として

  1. 本質的な選択肢である
  2. 深い仮説がある
  3. 答えを出せる

の3点を満たすこと、とされています。

これだけだとわかりにくいですね。

例を挙げて考えてみましょう。

よくないイシューの例:

鈴木さんの経営する飲料食品店の売上が近年低迷している。

売上を回復させるため、ブランディングを向上させる方法を考えよう。

これは、鈴木さんにとっての問題であり、解決すべき課題と言えます。

しかし、先ほど挙げた3つの条件に照らし合わせてみると、

1.本質的な選択肢なのか?

→✕売上低迷の原因はブランディングなのかわからない

2.深い仮説なのか?

→✕ ブランディングを向上させるべきという案は思いつきでは?

3.答えを出せるのか?

→◯ ブランディングを向上させる施策は出せるかも

上記のように満たせていない要件が2点あります。

しかし、1,2の要件こそ非常に重要なのです。

例えば検討の結果、ブランディングを向上させるためのグッドアイデアが生まれても、そもそも売上の低迷の原因がブランディングになければ、アイデアを実行しても売上改善につながらない可能性が大きいのです。

では、どのように考えればよいのでしょうか。

この場合、まずはっきりさせるべきは売上の低迷の原因です。

よいイシューの例:

鈴木さんの経営する飲料食品店の売上が近年低迷している。

しかし、現場に立っているとそれほど顧客が減っているようには見えない。ということは顧客一人当たりのお買上げが小さくなっているのではないか?

こうした仮説に基づき、まずは客数・客単価の推移を見て、客数の減少と客単価の低下のどちらの影響が大きいのかを検証する。

こうしたイシューの定義であれば、先程の3要件を満たしており(深い仮説かと言われると微妙ですが……)、このイシューについて知ること、解決することは経営にインパクトがあり、また次のステップにつながるものになるでしょう。

イシューを見極めることこそ意思決定者の仕事

経営者の仕事の一つは、企業全体を見渡し、各事業の重要事項について判断し、意思決定する、というものです。

また、企業経営者に限らず、一定以上の責任者などであれば、部下やメンバーの仕事について、大きな方向性を決める役割を担っているはずです。

その際に、本質的なイシューではない、例えば事業の売上につながらないイシューを立ててしまい、メンバー全員がその重要でないイシューに向かって仕事をしてしまうと、大きな損失を出しかねません。

そのため、経営者をはじめとした意思決定者にとって、「本質的なイシューが何なのか」「本当に答えを出すべき問いは何なのか」を見極めることが極めて重要になってきます。

「なんでもとりあえずやってみる」という姿勢ももちろん大切です。

その一方、インパクトのないイシューについてどれほどがんばっても、成果が上がらない、あるいはマイナスの結果を導く、といったこともありえます。

本書の第1章では、この「イシューの見極め」について紙幅を割いて丁寧に紹介しています。

仮説を立てることの重要性、イシューを特定するための情報収集の仕方、イシューを特定するためのアプローチ……などなど。

経営者としては、序章及び第1章の考え方を知っておくことが最も重要になります。

「イシューの見極め」についてのプロフェッショナルになることによって、経営者としての技量は向上することでしょう。

なお、第2章以降は具体的なイシューの分析方法や、仮説の立て方、実際の分析の進め方、結果の伝え方などの方法論が中心になります。

1-4.こんなときに使おう!経営への活かし方

本書で紹介されている「イシューからはじめる」という考え方は、企業経営者、政策立案者など、意思決定に携わるすべての方が身に付けておきたいものです。

ご自身の企業の経営課題に課題解決に向けて打つべき施策を考える際、そのイシューを見極める際に役立つことでしょう。

また、事業責任者(あるいは担当者・メンバー)に本書を渡し、「イシューからはじめる」考え方を身に着けさせることによって、社員から出てくるアイデア・施策の有効性が向上することが期待できます。

本書を読んで、イシューからはじめましょう。

以上、今回のブックレビューは『イシューからはじめよ』でした。

 

2.質問&レビュー募集

「経営読書塾」では、読者=塾生のみなさまからの質問や感想、コメントなどなど、いつでもお待ちしております。

このメールにそのまま返信できますので、お気軽にお寄せください。

いただいた質問については、その次の配信でご回答させていただく予定です(内容によっては個別にご回答いたします)。

「こんな本をレビューしてほしい」といったご要望もお待ちしております。

また、「自分もレビューを書いてみたので紹介してほしい!」といった持込も大歓迎です。

レビューを書くと、自分の頭の中が整理され、また読んでみるだけでは気付かなかった発見があるかもしれません。ぜひチャレンジしてみましょう。

 

3.お知らせ(宣伝)

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ご興味・ご関心ありましたら、お気軽に本メールに返信する形でご相談くださいませ。

 

4.編集日記

第002号のブックレビューはいかがでしたでしょうか。

世の中に経営戦略や問題解決、思考法に関する書籍は数多出版されています。

しかし、その多くがMECEや5Cなどツールやフレームワークの紹介に終始しています。

今回取り上げた『イシューからはじめよ』は、それよりももっと根本的、本質的なモノの見方、考え方について紹介している本です。

僕は2011年、シンクタンク入社2年目に本書を読み、それ以来、政策立案の現場において、「これは本当にイシューなんだろうか」と問いかけるようになりました。

本書でイシューの見極め方を知っても、実践しなければあまり意味がありません。

もちろん日々の経営の中で、無意識的にこうした考え方を実践されている経営者の方も多数いらっしゃるかと思います。

そうした方も、ぜひ本書を読んで「イシュー」という考え方を整理し、今後の経営、事業運営、政策立案に活かしていただければと思います。

まだ2018年もはじまったばかり。

せっかくなので、本書を読んで、今年取り組むべきイシューは何か、について考えていきませんか。

 

5.次回予告

さて、次号で取り上げる本はこちらになります。

瀧本哲史『武器としての交渉思考』(星海社,2012)

「イシューはわかった。その解決策もわかった。では、それを実行していこう。」という時に、さまざまな障害があるかもしれません。

一方、その障害の多くは他者との交渉によって解決できるものかも……?

というわけで、次回は交渉によって仲間とともに変革を興していく本の紹介です。

お楽しみに。

vol.001(2018/01/06)『起業の科学 スタートアップサイエンス』

こんにちは、戸田です。

あらためて新年あけましておめでとうございます。

本日は2018年1月6日(土)です。

記念すべき経営読書塾メールマガジン第001号をお届けします。

第1回のコンテンツはこちら。

目次

1.開講の思い

2.第1回ブックレビュー『起業の科学  スタートアップサイエンス』

3.質問&レビュー募集

4.お知らせ(宣伝)

5.編集日記

6.次回予告

となっております。

それでは、さっそくはじめてまいりましょう。

 

1.開講の思い

さて、今回が「経営読書塾」メールマガジン第1号となります。

が、本題であるブックレビューに入る前にそもそもなぜ今回、このようなメールマガジンをはじめたのか、というお話を少し。

筆者は、現在静岡県掛川市で株式会社あらまほしという会社を営んでいます。

もう2年半ほど前になりますが、2015年6月に大阪からUターンし、起業しました。

その後自社の事業を経営しつつ、地域活性化に貢献したいという思いから地元の経済団体である掛川商工会議所青年部(掛川YEG)などに加盟し、活動をしています。

その中で、ある日他のYEGメンバーの方に言われました。

「戸田さんは前職でもさまざまな仕事をしていて、ITにも詳しい。その知識を地域に還元する気はありますか?」

その時に僕は「もちろん」と答えたのですが、そのやり取りの後、具体的には特に何もできていませんでした。

が、その言葉はずっと心に残っており、何らかの形で日頃お世話になっている地域の仲間たちにお返しができればな、と考えていました。

経営者としての気概だとか、志だとか道徳心などというのは持ち合わせていないですし、諸先輩方の方が遥かにお持ちですので、もとよりお話できることはありません。

ではみなさんに何がお伝えできるだろう、と言えば、やはり幅広く情報収集をしていること(暇なので)だろう、という考えに至りました。

本メールマガジンは、こうした地域や周りのお世話になっているみなさんへの恩返しの一環として取り組んでいければ、と考えています(いや、最後にちゃっかり宣伝はするんですけど)。

もちろんYEGメンバーの方でなくても、経営者の方であれば、あるいはビジネスパーソンであれば楽しんでいただける内容のものをつくっていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

それではお待たせしました。

続いて本編をどうぞ。

 

2.第1回ブックレビュー『起業の科学  スタートアップサイエンス』

2-1.書誌情報

書名:起業の科学 スタートアップサイエンス

著者:田所雅之

発行日:2017年11月6日

発行者:日経BP社

Amazonはこちら

2-2.目次

第1章 IDEA VERIFICATION(アイデアの検証)
第2章 CUSTOMER PROBLEM FIT(課題の質を上げる)
第3章 PROBLEM SOLUTION FIT(ソリューションの検証)
第4章 PRODUCT MARKET FIT(人が欲しがるものを作る)
第5章 TRANSITION TO SCALE(スケールするための変革)

2-3.内容紹介

第1回で紹介するのは、「新しいものを世に生み出したい」と考えるすべての人にぜひ読んで欲しい『起業の科学 スタートアップサイエンス』です。

本書は、新しいプロダクト(製品・サービス)を創り出し、スタートアップ企業を立ち上げ、そのプロダクトをスケール(成長)させるまで、その各ステージにおいて、一体何をどのように考え、進めていかなければならないかを一望できる、スタートアップの教科書です。

これから起業する者がどうすればよいのか、スタートアップがどのような方向に進んでいけばよいかについて、ここまで具体的な方法論を網羅して1冊にまとめた書籍は、筆者の知るところ他にありません。

もちろん、起業しようという方だけでなく、これから新規事業をはじめる企業経営者(あるいは事業担当者)、既存事業の革新が求められる二代目社長など、「何か新しいことを生み出す」ことにチャレンジする方であれば、きっと役立つ、と断言できる1冊です。

第1章のテーマは「アイデアの検証」

あなたがこれから何か新しいプロダクトを生み出そうという時、第一に考えるべきことは、「誰の、どのような課題を解決するアイデアなのか?」ということです。

独りよがりのアイデアにならないためには、「こんなのあったら売れるんじゃない?」といった思いつきではなく、具体的に「それがあると誰が助かるの?嬉しいの?」ということを考える必要があるのです。

第1章では、こうしたアイデアの探し方、そして仮説の立て方、検証方法、すべきでないことを紹介しています。

例えば、①誰が見ても最初からいいアイデアに見えるもの、②ニッチすぎる、③自分が欲しいものではなく作れるものを作る、④根拠のない想像上の課題、⑤分析から生まれたアイデア、⑥激しい競争に切り込む、⑦一言では言い表せないアイデア……

これらはすべて「スタートアップは避けるべきアイデアだ」と断じられています。

第2章のテーマは「課題の質を上げる」

第1章を通じて、あなたは新たなプロダクトの仮説を立てたはずです。

「ソイラテ専門カフェがあったら、ベジタリアンも安心してカフェラテが楽しめる!」といったような。

そのアイデアにちょっと水を差すような問いかけをしましょう。

「そもそもその課題が本当にあるのか?あったとしてお金を払うほどの”痛み”を感じているのか?」と。

第2章では、プランに基づいてプロダクトを創りはじめてしまう前に、課題の質を上げる方法について紹介しています。

ユーザーのペルソナ(仮想人格)設定にはじまり、ユーザーインタビュー(聞き取り)の方法、得られた情報をフィードバックして仮説を修正する方法etc…

こうしたプロセスを経て、課題の質を上げることが後段のソリューションの質を高めることにもつながります。

第3章のテーマは「ソリューションの検証」

あなたは今、多数のユーザーの声を聴き、彼らが抱えている課題を自信を持って詳細に話せる状況です。

となれば、次に取り組むべきはその課題の解決策(ソリューション)となるプロダクトをつくることでしょう。

第3章では、いよいよ課題に対するプロダクトの開発に着手していく中で、ソリューションの検証方法について紹介しています。

「プロトタイプカンバンボード」という進捗を一覧化するツールを紹介しつつ、そもそもどのようなUX(ユーザー体験)を顧客に提供すべきかを設計すること、市場に出す前の費用をかけずに作れるプロトタイプを作ってユーザーに話を聴きに行くこと、ユーザーからのフィードバックをもとにプロトタイプを磨き上げることが推奨されます。

第4章のテーマは「人が欲しがるものを作る」

これまでの道のりを経て、ようやくMVPを市場に投入することができます。

MVPとは必要最小限の価値機能だけを持つプロダクトのことです。

例えば、「ロシア語のオンラインレッスン」というサービスを始めるとして、そのMVPは何でしょうか?

「オンラインで簡単にロシア語の会話ができること」になるかと思います。

そのニーズの検証のためには、はじめから高度なマッチングシステムやWebアプリケーションは必要ありません。

Twitterアカウントを作り、ユーザーに希望時間をリプライしてもらって、手動で講師の空き状況やSkype IDを返信する、といった仕組みであれば、開発コストはほぼゼロでサービスのニーズ検証は可能です。

第4章では、こうした検証用プロダクトであるMVPの作り方、そしてそのMVPに対するユーザーの反応を定性的・定量的に分析し、MVPを磨き上げていく方法、そしてどうしても成果が出なかったときのピボット(方向転換)の仕方について紹介しています。

第5章のテーマは「スケールするための変革」

この章のステージに辿り着いたということは、あなたの創ったプロダクトは一定以上顧客がつき、市場に受け入れられていることでしょう。

第5章では、スケールする前段階の準備として、ユーザー一人当たりの採算性のチェック及びその向上、そしていよいよスケール(拡大・成長)させていくための具体的な方法論について紹介しています。

ここまで来たらあとは集客のためのPRをガシガシ進めていきましょう。

2-4.こんなときに使おう!経営への活かし方

内容紹介の冒頭でも述べた通り、本書はこれから新しいプロダクトを創っていくスタートアップ向けのテキストではありますが、経営者や新規事業開発担当者の方にもぜひ読んでいただきたい内容となっています。

◯企業経営者・新規事業担当者の方

本書において、課題の質を決める要素として次の3つが挙げられています。

  • 高い専門性
  • 業界(現場)の知識
  • 市場環境の変化に対する理解度

これら3要素を満たすのは、実は完全な新規参入者ではなく、現在その業界ですでに事業を営んでいる企業経営者(事業担当者)ではないかと思います。

もし現在本業においてこのままではいけない、という意識があり、新規事業の開発、あるいは新製品の開発に取り組まねば、ということでしたら、ぜひ本書を手に取って、その進め方を一望していただくとよいのではないかと思います。

◯起業家・起業予定の方

必読です。

『リーン・スタートアップ』も『ゼロ・トゥ・ワン』も必読かとは思いますが、それより先にこの1冊を読んでおくことをオススメします。

以上、ブックレビューでした!

 

3.質問&レビュー募集

「経営読書塾」では、読者=塾生のみなさまからの質問や感想、コメントなどなど、いつでもお待ちしております。

このメールにそのまま返信できますので、お気軽にお寄せください。

いただいた質問については、その次の配信でご回答させていただく予定です(内容によっては個別にご回答いたします。その旨ご記載ください)。

「こんな本をレビューしてほしい」といったご要望もお待ちしております。

また、「自分もレビューを書いてみたので紹介してほしい!」といった持込も大歓迎です。

レビューを書くと、自分の頭の中が整理され、また読んでみるだけでは気付かなかった発見があるかもしれません。ぜひチャレンジしてみましょう。

 

4.お知らせ(宣伝)

そしてお知らせ、というか宣伝です。

2018年はものを書いたり、話したり、というお仕事を増やしていきたいな、と考えております。

ついては、講演や社員研修のお仕事などを絶賛募集中です。

「この本の内容についてぜひ噛み砕いて社員向けに話をしてほしい」といったブックレビューベースのものでも結構ですし、その他次の内容などについて講義、研修が可能です。

  • 新規事業開発の進め方
    • ITツールを活用した業務効率化
  • 事業改善のためのリサーチ設計・データ分析

とは言ってもテンプレートな内容ではなく、具体的な内容については、事前打合せの上、できる限りニーズに沿ったものにしたいと考えております。

気になるお値段については、当初は5万円/回+交通費〜を想定しています(4月などの繁忙期は上げるかもですが)。

ご興味・ご関心ございましたらこちらもお気軽に本メールに返信する形でご相談くださいませ。

 

5.編集日記

というわけで以上、第1回ブックレビュー、いかがでしたでしょうか。

正直第001号ということで気負っているところもあった気がします。次回からはもうちょっとラフに書きたいですね。

ビジネスブックレビューのアイデア自体は、開講の思いに書いた通り、1年以上前から温めていたのですが、「よしやるか!」と思いついたのは2017年の年末でした。

2018年はインフルエンザとともに迎えて数日間寝込んでいたのですが(今も外出はNG期間中)、そのおかげで普段よりゆっくり考え事もできました。

さて、この「経営読書塾」、少なくとも今年1年間は継続して続けていきたいと考えています。

さすればおそらく第050号くらいまでは到達するかと思いますが、目標とすべき第050号で扱う書籍はもう決めております。薄々予想がついている方もいらっしゃるかもしれませんが。筆者の起業のきっかけになった本を取り上げる予定です。

お楽しみに。

 

6.次回予告

第002号で取り上げる本はこちらになります。

安宅和人 『イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」』(英治出版,2010)

Amazonはこちら

お楽しみに。

 

経営読書塾メールマガジン第001号をここまでお読みいただきありがとうございました。

ここまでお読みいただいただけでもあなたの経営力は一歩、前へと進んだはずです。

それでは、また次の土曜にお会いしましょう!

経営読書塾 戸田 佑也

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発行:

株式会社あらまほし 代表取締役 戸田 佑也

Web: https://aramahoshi.jp

E-mail: info@aramahoshi.jp

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