こんにちは、戸田です。
2018年2月3日です。
2月になりました。
年度末も近づき、忙しくなってきた、という方も多いのではないでしょうか。
寒い日が続きますが、体調に気を付けて過ごしていきましょう。
それでは、経営読書塾メールマガジンvol.005をお届けします。
本日のコンテンツはこちら。
目次
1.第5回ブックレビュー『ダイレクト・リクルーティング 新しい採用の常識』
2.質問&レビュー募集
3.お知らせ
4.編集日記
5.次回予告『日本再興戦略』
それでは、さっそくブックレビューに入りましょう。
1.第5回ブックレビュー『ダイレクト・リクルーティング 新しい採用の常識』
1-1.書誌情報
書名:ダイレクト・リクルーティング 新しい採用の常識
著者:高山 奨史、新倉 竜也
発行日:2018年1月11日
発行者:同文館出版
Amazonリンク: http://amzn.asia/0YfocXI
1-2.目次
はじめに
1章 だからうちに人が来ないのか!あなたの会社に人が集まらない本当の理由
2章 ダイレクト・リクルーティングで劇的に採用力を改善する!
3章 実践!ダイレクト・リクルーティング①Webフェーズ デジタル時代の採用戦略
4章 実践!ダイレクト・リクルーティング②リアルフェーズ 面接誘導編
5章 実践!ダイレクト・リクルーティング③リアルフェーズ 面接当日〜内定連絡編
6章 驚愕!業種別ダイレクト・リクルーティング成功事例
1-3.内容紹介
私は静岡県掛川市という人口10万人ちょっとくらいの地方都市で会社を経営をしています。
その地元の経営者仲間と飲んでいると最近よく話題になるのは、人手が足らない、という話です。
建設業、製造業などは特にその傾向が顕著ですが、地方では本当に人材が不足している状況です。
統計資料を見ても、厚生労働省によれば、2017年平均の有効求人倍率は1.50倍、前年の1.36倍を0.14ポイント上回り、非常に高い水準で移行しています。
これはざっくり言えば、1.5人分の仕事に対し、人が1人しかない、ということです。
こうした中でとても重要になってくるのが、人材採用、リクルーティングです。
今回の経営読書塾で取り上げる『ダイレクトリクルーティング 新しい採用の常識』は、人材募集に関する時代の移り変わりに対応した、新しい採用手法を提案するという内容です。
※なお、今回の著者はダイレクト・リクルーティングを実践するコンサルティング会社の方であり、本書にはこの採用手法の普及啓発という向きがあります。そのため、少し差し引いて読む必要があるかもしれません。が、時代の流れと考え方は今の採用の現状に即したものかな、と思います。
ダイレクト・リクルーティングとは?
さて、そもそも「ダイレクト・リクルーティング」という言葉自体、耳慣れないものかと思います。
直訳すると「直接採用活動」となりますが、具体的にはどのような内容を指すのでしょう。
端的に言えば、これまで求人媒体に頼ってきた採用だけでなく、自社媒体・自社での直接採用活動を増やしていこう、という内容です。
これまで正社員やアルバイトを募集するとなれば、ハローワークに求人を出すほか、求人情報誌、求人ポータルサイトに掲載するというのが一般的でした。
現在、こうした紙媒体の求人情報誌、求人ポータルサイトの効果が薄れつつあります。
なぜか。
これは、求職者が求人情報を探す際、まずはGoogle、Yahoo!などの検索エンジンを利用していることによるものです。
昔ながらの紙媒体による求人情報は、情報の閲覧性、検索性に乏しく、比較検討がしにくい仕組みになっています。
そして、求人ポータルサイトは、実は検索しても上位に表示されなくなりつつあります。
その中で、どのようなものが台頭しているかと言えば、「indeed(インディード)」というサービスです。
最近では、TV CMも積極的に打たれているので、ご存知の方も多いかもしれません。
これは、簡単に言えば「求人情報だけのGoogle」だと思っていただけばわかりやすいかもしれません。
ぜひ一度ご覧いただければと思いますが、その画面構成、機能は至ってシンプルなものです。
しかし、これがなぜ強いかと言えば、今Googleで「地域名+職種」などで検索すると上位にはこのindeedが表示されるためです(よろしければ実際に試してみてください)。
検索求人の入り口は求人ポータルサイトではなく、indeedへと移行しつつある、という状況なのです(大企業の新卒採用などは一部事情が異なりますが)。
こうした状況を踏まえ、indeedを活用しながら、媒体に依存せず、直接的に採用活動を進めていくこと=ダイレクト・リクルーティングが企業において重要になりつつあるのです。
プラットフォームに過度に依存しない経営
……と、いうのが本書の1〜2章の内容をかいつまんでお話したものです。
その先の3〜5章では、ダイレクト・リクルーティングに向けた具体的な手法が、6章では実践例が紹介されます。
が、これらの内容は実際にお読みいただくとして。
ここでは、こうした「メディア・媒体」などのプラットフォームに頼らず、自社でダイレクトに活動するということに注目してみましょう。
現在、例えば採用ならリクナビ、タウンワーク、ECなら楽天、Amazon、旅行ならじゃらん、Booking.com……など、あらゆる分野において、大企業によるサービスがプラットフォームとして機能しています。
こうしたプラットフォームを活用することはとても大切なのですが、これらに過度に依存することは、プラットフォームを運営する企業に経営を依存するのと同じことになってしまいます。
例えば、Amazonで通販の売上の9割をつくっている中山間地域の某村の事業者がいたとして、Amazonが「効率化のため、人口1万人以下の市町からの発送時送料は30%値上げします」といった方針を打ち出したら、途端にその事業者は苦しくなるでしょう。
プラットフォームに依存するというのは、その運営企業の方針に従わざるを得ない、というリスクが生じます。
そのため、近年では、EC業界でもなるべく自社サイトをつくり、ショッピングモールに依存せずお客様を獲得していこう、旅館業でも自社サイトから直接ご予約をいただこう、といった取り組みが始まりつつあります。
このダイレクト・リクルーティングという考え方も、自社に必要な人材を、自ら発見し、自ら獲得していく、という考え方であり、現代の経営者が視野に入れるべき事柄の一つではないかと感じています。
人材採用についても、こうした「自社が自ら動く」というスタイルを取り入れていく必要があるかもしれません。
1-4.こんなときに!経営への活かし方
今回のブックレビューでは割愛してしまいましたが、「よし!ダイレクト・リクルーティングに取り組んでいこう!」という経営者の方は、ぜひ3〜5章に目を通してください。
実際の採用手法がかなり具体的に書かれていますので、ダイレクト・リクルーティングを進める上で大変参考になるでしょう。
2.質問&レビュー募集
「経営読書塾」では、塾生(読者)のみなさまからの質問や感想、コメントなどなど、いつでもお待ちしております。
このメールにそのまま返信できますので、お気軽にお寄せください。
いただいた質問については、その次の配信でご回答させていただく予定です(内容によっては個別にご回答いたします)。
「こんな本をレビューしてほしい」といったご要望もお待ちしております。
また、「自分もレビューを書いてみたので紹介してほしい!」といった持込も大歓迎です。
レビューを書くと、自分の頭の中が整理され、また読んでみるだけでは気付かなかった発見があるかもしれません。ぜひチャレンジしてみてください。
3.お知らせ
LINE BOT勉強会 IN 掛川を開催します
2018年2月21日(水)静岡県掛川市にて「LINE Bot勉強会 in 掛川~LINE Botを活用してもっとコミュニケーションを~」を開催します。
講師はLINE株式会社 Developer Relationsチーム所属の立花翔さんです。
お近くにお住まいの方で、チャットBOTに興味のある方はぜひご参加ください。
詳細はこちら
https://aramahoshi.jp/2018/01/25/linebot
4.編集日記
第005号のブックレビューはいかがでしたでしょうか。
……なんというか、本の紹介の割合が4割くらいになってしまって、「これを読んで戸田はこう考えた」みたいな感想文になってしまったような気が……。
いや、これまでもわりとそんな感じでしたけど。
本の紹介に徹するのと、戸田のコメント、どっちに重きを置くのがいいですかね?
5.次回予告『日本再興戦略』
さて、次号で取り上げる本はこちらになります。
落合陽一 『日本再興戦略』(幻冬舎,2018)
Amazonリンク: http://amzn.asia/4uNBw9u
「現代の魔法使い」落合陽一さんが日本のこれからを語ります。
めちゃくちゃ刺激的な一冊です。
お楽しみに。