vol.003(2018/01/20)『武器としての交渉思考』

こんにちは、戸田です。

2018年1月20日です。

もう今年も20日が経ちました。

2018年もすでに5%が経過したということですね……。

今年の目標・イシューの進捗はいかがでしょうか?

着実に進めていきましょう。

それでは、経営読書塾メールマガジン第003号をお届けします。

本日のコンテンツはこちら。

 

目次

1.第3回ブックレビュー『武器としての交渉思考』

2.質問&レビュー募集

3.お知らせ(宣伝)

4.編集日記

5.次回予告『成功者の告白』

となっております。

それでは、さっそくはじめてまいりましょう。

 

1.第3回ブックレビュー『武器としての交渉思考』

1-1.書誌情報

書名:武器としての交渉思考

著者:瀧本哲史

発行日:2012年6月26日

発行者:星海社

 

1-2.目次

ガイダンス なぜ、いま「交渉」について学ぶ必要があるのか?

1時間目 大切なのは「ロマン」と「ソロバン」

2時間目 自分の立場ではなく、相手の「利害」に焦点を当てる

3時間目 「バトナ」は最強の武器

4時間目 「アンカリング」と「譲歩」を使いこなせ

5時間目 「非合理的な人間」とどう向き合うか?

6時間目 自分自身の宿題をやろう

 

1-3.内容紹介

本書は、著者が京都大学で教えている「交渉の授業」を一冊の本に凝縮したものです。

そのため、次代を担う若者に対する熱いメッセージが込められています。

「経営読書塾」の読者のみなさんは、もう「若者」という年齢ではないかもしれません。

しかし、本書が対象とするのは、未来のために世の中を動かしていこう、という人たちです。

みなさんが事業を経営することも、会社で働いているのも、社会を動かす一つの力になっているはず。

今回紹介する『武器としての交渉思考』は、交渉によって仲間をつくり、社会を動かす力を身に付けていこう、というものです。

単なる小手先のテクニックではなく、ビジネスにも、政治にも、プライベートにも活かせる交渉思考をぜひ身に付けていきましょう。

交渉とはそもそも何なのか

現代社会において、誰とも関わらず一人きりで生きていく、というのはほとんど不可能です。

我々は誰かしら他者と関わりながら、ともに生きていかざるをえません。

本書では、交渉を「合意をつくりだす手段」としています。

交渉はビジネスの場だけではありません。生活のいたるところで行われています。

例えば、友だちとレストランに行くとします。

「僕は新宿で中華が食べたい」「私は渋谷でイタリアンが食べたい」というとき、「では、昼はイタリアン、夜は中華にしようか」というのも交渉です。

2人以上の人間が集まれば、ありとあらゆるところで交渉が必要になるのです。

相手の利益を知るのが交渉である

交渉と言えば、あなたはどんなイメージを持つでしょうか。

持論をまくし立てて、相手を説得すること?

相手の理論のスキを突いて論破すること?

こうした一般的イメージは本来の交渉からは程遠いものです。

実は、交渉では、自分の立場よりも相手の利害を考えることが重要になってくるのです。

これはきれいごととして「相手のことを慮りましょう」という話ではありません。

「僕が困っているのでこうしてください」ではなく、「あなたにこんなおトクがあるのでこうした方がいいですよ」という提案をする、という観点を持たないと交渉は上手く成立しないのです。

そして、相手の利害を知ることが交渉を有利に進めることにもなるのです。

本書では随所に「練習問題」が盛り込まれています。

その1つを具体例として提示しましょう。

—–

2人の姉妹が1つのオレンジをめぐって喧嘩をしています。

「半分に分けたら?」と親が言いましたが2人とも「1つ分が必要なの!」と言って譲りません。

しかし、話し合いの結果、姉妹で無事に分け合うことができました。

一体なぜでしょう?

—–

こちらの答え、おわかりになりますでしょうか?

半分こずつで我慢することにした?

妹が今回もらって、姉は次回まるまるもらえるようにした?

正解は「オレンジの皮と中身を分け合った」です。

よくよく二人で話し合ったところ、姉はオレンジを普通に食べたくて、妹はオレンジの皮でマーマレードが作りたかったのです。

問題としてはちょっとずるくない?という気もしますが(僕はそう思いました)、要はお互いが「1つ分のオレンジが必要だ!」と主張していても、実は本当に欲しかったものは違っていたというお話です。

つまり、一見すると利害が対立するケースでも、相手の求める利益をきちんと知ることで、合意することができる(可能性がある)ということです。

交渉の武器、「バトナ」

有利に交渉を進めるための強力な武器として、「バトナ」という考え方があります。

バトナとは、簡単に言えば「相手の提案に合意する以外の選択肢の中で、最もよいもの」という意味です。

要は、「相手に合意する」ということ以外に複数の選択肢を持っておくとよい、ということ。

 

例として挙げられているのは家賃交渉の例です。

アパート、マンションを借りる時、入居者としてはどの時期に家主と話せば有利に交渉が進めやすいでしょうか?

これは5月または6月です。

なぜか。

進学、就職によって多くの転居が4月にあるため、5月以降賃貸アパートの人の出入りは少なくなります。

そのため、家主としては、5月に「部屋を借りたい」という入居者を逃してしまうと、そのまま次の4月まで入居者が決まらない、というリスクが高いのです。

バトナの考え方で行くと、我々入居者としては複数の選択肢が多くある一方、家主としては選択肢が少ない、という状況なのです。

こうした状況であれば、有利に交渉が進めやすい、と言えるでしょう。

交渉は準備が8割

交渉にあたって、「相手の利益が何なのかを知る」「(自分は)複数の選択肢を持つ」「相手にどのような選択肢があるかを知る」といったことが重要である、ということを述べてきました。

こうした情報収集は、交渉のテーブルについてから行うことはできません。

巷のビジネス本などで紹介される交渉手法は、当日のちょっとした心理的テクニックにすぎないものですが、本質的に交渉は事前準備でほとんど決まってしまうのです。

合理的「でない」交渉

ここまで紹介した交渉は「相手も自分も合理的に考える」ということが前提とされています。

しかし、家賃交渉の例であっても「この入居者を逃すとずっと空室になってしまうかも」というリスクを認識していない、あるいはリスクを認識していても「礼金を値切るようなやつには貸さない!」と感情的に交渉が決裂することもあります。

本書では、こうした合理的でない人間との交渉についても、どのように対応すべきかに触れています。

詳細は省きますが、基本的にはやはり相手を分析し、相手の価値観を尊重することが重要である、とされています。

 

1-4.こんなときに!経営への活かし方

企業経営者であれば、いや経営者でなくとも、毎日のように誰かしらと何かしらの交渉をしていることと思います。

本書は「交渉」の本質、基本的な考え方から、有利に交渉を進めていくためのスキルまでがギュッと凝縮されています。

また、学生向けの授業を書籍にしたものであるため、平易で読みやすく、練習問題にしっかり向きあうことで、自分で考える練習もできる、というものになっています。

経営者ご自身はもちろんのこと、営業担当の方や、社内外で何らかの折衝にあたる方が交渉思考を学べば、きっと大小の交渉がスムーズに進んでいくようになるでしょう。

以上、今回のブックレビューは『武器としての交渉思考』でした。

 

2.質問&レビュー募集

「経営読書塾」では、塾生(読者)のみなさまからの質問や感想、コメントなどなど、いつでもお待ちしております。

このメールにそのまま返信できますので、お気軽にお寄せください。

いただいた質問については、その次の配信でご回答させていただく予定です(内容によっては個別にご回答いたします)。

「こんな本をレビューしてほしい」といったご要望もお待ちしております。

また、「自分もレビューを書いてみたので紹介してほしい!」といった持込も大歓迎です。

レビューを書くと、自分の頭の中が整理され、また読んでみるだけでは気付かなかった発見があるかもしれません。ぜひチャレンジしてみてください。

 

3.お知らせ(宣伝)

講演、社員研修について引き続き募集しております。

また外部講師をお招きしての研修会・勉強会の企画・運営のご相談もお受けしております。

ご興味・ご関心ありましたら、お気軽に本メールに返信する形でご相談くださいませ。

 

4.編集日記

第003号のブックレビューはいかがでしたでしょうか。

先週は「イシューとは何か?」についてのブックレビューでした。

そして今回は、そのイシューを実現・達成するために、きっと必要になる他者との交渉について、『武器としての交渉思考』を題材に書きました。

交渉思考を磨き、交渉によって、仲間を増やし、事業を大きくし、社会を動かしていきましょう。

 

5.次回予告『成功者の告白』

さて、次号で取り上げる本はこちらになります。

神田昌典『成功者の告白』(講談社,2006)

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次回ご紹介するのは起業家の成功法則を物語形式にして著した本です。

お楽しみに。

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