vol.002(2018/01/13)『イシューからはじめよ』

こんにちは、戸田です。

本日は2018年1月13日。

すでにお正月気分も抜けて、通常営業モードになっている頃でしょうか?

さて、それでは経営読書塾メールマガジン第002号をお届けします。

本日のコンテンツはこちら。

 

目次

1.第2回ブックレビュー『イシューからはじめよ』

2.質問&レビュー募集

3.お知らせ(宣伝)

4.編集日記

5.次回予告

となっております。

それでは、さっそくはじめてまいりましょう。

 

1.第2回ブックレビュー『イシューからはじめよ』

1-1.書誌情報

書名:イシューからはじめよー知的生産の「シンプルな本質」

著者:安宅和人

発行日:2010年11月24日

発行者:英治出版

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1-2.目次

はじめに 優れた知的生産に共通すること
序章 この本の考え方―脱「犬の道」
第1章 イシュードリブン―「解く」前に「見極める」
第2章 仮説ドリブン(1)―イシューを分解し、ストーリーラインを組み立てる
第3章 仮説ドリブン(2)―ストーリーを絵コンテにする
第4章 アウトプットドリブン―実際の分析を進める
第5章 メッセージドリブン―「伝えるもの」をまとめる
おわりに 「毎日の小さな成功」からはじめよう

1-3.内容紹介

事業を経営していれば、さまざまなシーンで物事を判断し、意思決定をしなければならない状況に直面します。

そして、おそらく「現状にまったく問題がない」「このまま今日と同じことを続けていればこれからも安泰である」という企業はほとんどないのではないでしょうか。

多くの経営者が日々「何らかの問題を解決しなければならない」という状況にあるのではないかと思います。

今回紹介する『イシューからはじめよ』は、そうした問題(これを「イシュー」と呼びます)について、基本的な考え方、その本質を紹介していくものです。

イシューとは何か

本書のタイトルでもある「イシュー」。

あまり耳慣れた言葉ではないかもしれません。

辞書的な意味では「論点」「課題」などと訳されるものですが、本書において「イシュー」は次のように定義されています。

  • 2つ以上の集団の間で決着のついていない問題
  • 根本に関わる、もしくは白黒がはっきりしていない問題

また、本書では、よいイシューの条件として

  1. 本質的な選択肢である
  2. 深い仮説がある
  3. 答えを出せる

の3点を満たすこと、とされています。

これだけだとわかりにくいですね。

例を挙げて考えてみましょう。

よくないイシューの例:

鈴木さんの経営する飲料食品店の売上が近年低迷している。

売上を回復させるため、ブランディングを向上させる方法を考えよう。

これは、鈴木さんにとっての問題であり、解決すべき課題と言えます。

しかし、先ほど挙げた3つの条件に照らし合わせてみると、

1.本質的な選択肢なのか?

→✕売上低迷の原因はブランディングなのかわからない

2.深い仮説なのか?

→✕ ブランディングを向上させるべきという案は思いつきでは?

3.答えを出せるのか?

→◯ ブランディングを向上させる施策は出せるかも

上記のように満たせていない要件が2点あります。

しかし、1,2の要件こそ非常に重要なのです。

例えば検討の結果、ブランディングを向上させるためのグッドアイデアが生まれても、そもそも売上の低迷の原因がブランディングになければ、アイデアを実行しても売上改善につながらない可能性が大きいのです。

では、どのように考えればよいのでしょうか。

この場合、まずはっきりさせるべきは売上の低迷の原因です。

よいイシューの例:

鈴木さんの経営する飲料食品店の売上が近年低迷している。

しかし、現場に立っているとそれほど顧客が減っているようには見えない。ということは顧客一人当たりのお買上げが小さくなっているのではないか?

こうした仮説に基づき、まずは客数・客単価の推移を見て、客数の減少と客単価の低下のどちらの影響が大きいのかを検証する。

こうしたイシューの定義であれば、先程の3要件を満たしており(深い仮説かと言われると微妙ですが……)、このイシューについて知ること、解決することは経営にインパクトがあり、また次のステップにつながるものになるでしょう。

イシューを見極めることこそ意思決定者の仕事

経営者の仕事の一つは、企業全体を見渡し、各事業の重要事項について判断し、意思決定する、というものです。

また、企業経営者に限らず、一定以上の責任者などであれば、部下やメンバーの仕事について、大きな方向性を決める役割を担っているはずです。

その際に、本質的なイシューではない、例えば事業の売上につながらないイシューを立ててしまい、メンバー全員がその重要でないイシューに向かって仕事をしてしまうと、大きな損失を出しかねません。

そのため、経営者をはじめとした意思決定者にとって、「本質的なイシューが何なのか」「本当に答えを出すべき問いは何なのか」を見極めることが極めて重要になってきます。

「なんでもとりあえずやってみる」という姿勢ももちろん大切です。

その一方、インパクトのないイシューについてどれほどがんばっても、成果が上がらない、あるいはマイナスの結果を導く、といったこともありえます。

本書の第1章では、この「イシューの見極め」について紙幅を割いて丁寧に紹介しています。

仮説を立てることの重要性、イシューを特定するための情報収集の仕方、イシューを特定するためのアプローチ……などなど。

経営者としては、序章及び第1章の考え方を知っておくことが最も重要になります。

「イシューの見極め」についてのプロフェッショナルになることによって、経営者としての技量は向上することでしょう。

なお、第2章以降は具体的なイシューの分析方法や、仮説の立て方、実際の分析の進め方、結果の伝え方などの方法論が中心になります。

1-4.こんなときに使おう!経営への活かし方

本書で紹介されている「イシューからはじめる」という考え方は、企業経営者、政策立案者など、意思決定に携わるすべての方が身に付けておきたいものです。

ご自身の企業の経営課題に課題解決に向けて打つべき施策を考える際、そのイシューを見極める際に役立つことでしょう。

また、事業責任者(あるいは担当者・メンバー)に本書を渡し、「イシューからはじめる」考え方を身に着けさせることによって、社員から出てくるアイデア・施策の有効性が向上することが期待できます。

本書を読んで、イシューからはじめましょう。

以上、今回のブックレビューは『イシューからはじめよ』でした。

 

2.質問&レビュー募集

「経営読書塾」では、読者=塾生のみなさまからの質問や感想、コメントなどなど、いつでもお待ちしております。

このメールにそのまま返信できますので、お気軽にお寄せください。

いただいた質問については、その次の配信でご回答させていただく予定です(内容によっては個別にご回答いたします)。

「こんな本をレビューしてほしい」といったご要望もお待ちしております。

また、「自分もレビューを書いてみたので紹介してほしい!」といった持込も大歓迎です。

レビューを書くと、自分の頭の中が整理され、また読んでみるだけでは気付かなかった発見があるかもしれません。ぜひチャレンジしてみましょう。

 

3.お知らせ(宣伝)

講演、社員研修について引き続き募集しております。

また外部講師をお招きしての研修会・勉強会の企画・運営のご相談もお受けしております。

ご興味・ご関心ありましたら、お気軽に本メールに返信する形でご相談くださいませ。

 

4.編集日記

第002号のブックレビューはいかがでしたでしょうか。

世の中に経営戦略や問題解決、思考法に関する書籍は数多出版されています。

しかし、その多くがMECEや5Cなどツールやフレームワークの紹介に終始しています。

今回取り上げた『イシューからはじめよ』は、それよりももっと根本的、本質的なモノの見方、考え方について紹介している本です。

僕は2011年、シンクタンク入社2年目に本書を読み、それ以来、政策立案の現場において、「これは本当にイシューなんだろうか」と問いかけるようになりました。

本書でイシューの見極め方を知っても、実践しなければあまり意味がありません。

もちろん日々の経営の中で、無意識的にこうした考え方を実践されている経営者の方も多数いらっしゃるかと思います。

そうした方も、ぜひ本書を読んで「イシュー」という考え方を整理し、今後の経営、事業運営、政策立案に活かしていただければと思います。

まだ2018年もはじまったばかり。

せっかくなので、本書を読んで、今年取り組むべきイシューは何か、について考えていきませんか。

 

5.次回予告

さて、次号で取り上げる本はこちらになります。

瀧本哲史『武器としての交渉思考』(星海社,2012)

「イシューはわかった。その解決策もわかった。では、それを実行していこう。」という時に、さまざまな障害があるかもしれません。

一方、その障害の多くは他者との交渉によって解決できるものかも……?

というわけで、次回は交渉によって仲間とともに変革を興していく本の紹介です。

お楽しみに。

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